きらわれレモンティーは凍らない

かたつむり工房がTwitterには流せない話を投稿するところ

懐かしのネフティス

 

 はじめまして。かたつむり工房です。

 

 今回はつい昨日動画撮影をしたネフティスデッキを大幅変更する予定があるのでアーカイブとしてどんなデッキだったかを書いておこうと思います。

 

 思ったよりも長くなったので適当に流し読みしてください。

 

ネフティスについて

 まずそもそもネフティスについて。

 

 【ネフティス】はデッキビルドパック ヒドゥン・サモナーズで《ネフティスの鳳凰神》から展開された「ネフティス」がカテゴリ化されたことで現れたデッキです。

三枚消費に見合う強力な儀式モンスターで爆発力を出し、新規下級のリカバリー効果でその消費を補う、というデザインで、なんでも手札を割れることから拡張性も非常に高いです。

 

 しかし、『次の自分スタンバイフェイズに発動できる』愛すべき文脈効果は「なぜ八期の炎王にできたことが十期になってできない」と散々文句を言われ、優秀な手札破壊も初動に打てるのは1種のみで「無能な新参神官」と揶揄され、十期一売るカードがないと言われたDBHSでも最弱と呼ばれています(この文章は独断と偏見で出来ています)。

 

 それでも私はこのネフティスを組みたかった。

 その理由はおおよそ十年ほど前にさかのぼります。今青春真っ盛りの中高生が幼稚園のお迎えバスに乗っているころ、私は友達から一つのデッキをもらいました。それが【ユベル】です。

 当時の【ユベル】はなぜかスーレアだったリミットリバースで《ユベル》蘇生して守備にするとか、黙する死者で蘇生した《魔族召喚士》を再度召喚、《ユベル》を蘇生し、エンドに《魔族召喚士》を食うなどして《ユベル-Das Abscheulich Ritter》を出していました。

 

 しかし、ただ漫然とユベル第二形態を出しても遅延にしかならない。どうにかならないかとwikiを眺めていると、豪快かつ素晴らしいシナジーを持つデッキがあるではないですか。

 そして、意気揚々とちょうどその頃町にできたカードショップで買ったのが《ネフティスの鳳凰神》でした。

 《ネフティスの鳳凰神》を組み込み、デッキは【ネフユベル】になり、《光と闇の竜》を手に入れて【ネフライダー】になり、《ユベル》の代わりに《ドラグニティアームズーレヴァテイン》を採用した【ネフレヴァライダー】になり、私がDTデッキを組み始めるまでの相棒となりました。

 

 そうやって私の少年時代のデッキを支えたのが《ネフティスの鳳凰神》であり、そんなノスタルジックな気持ちに背中を押されて、ヒドゥンサモナーズを注文したのでした。

 

今回のデッキについて

 前置きが長くなりましたが、デッキ紹介です。

 ここまでの自分語りを目の端に引っ掛けてくださった方はきっとこのデッキのコンセプトがわかるでしょう。

 

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 このデッキのコンセプトは『懐かしのカードを新しいカードで爆破しよう』です。

 

デッキの動き 

 これは当初新規紹介動画として出す予定だったため、新規ネフティスの基本の動きに合わせて昔使っていたカードを割っていく形です。 

 

 まずネフティスの基本の動きとして

《ネフティスの祀り手》を儀式召喚→《ネフティスの祈り手》をリクルート祈り手効果で《ネフティスの悟り手》をサーチ→祀り手+祈り手で守護神→守護神効果で《ネフティスの蒼凰神》サーチ、輪廻サルベージ→蒼凰神を儀式召喚→悟り手を通常召喚効果発動祈り手蘇生

というものがあります。

 必要手札は祀り手+輪廻+リリース要員×2+割るカード×2……あれ、これ手札六枚使ってるぞ……。

 散々回していて初めて気がつきましたがこの動きは手札を六枚使うようです。基本の動きというか最大展開というか……どうりで手札がなくなるわけです。

 

 一応祀り手は《儀式の下準備》対応なので、もう一枚減らすこともできますし、制圧ができるデッキではないため、後攻を選ぶことが多いこともあり、そんなにレアな状況ではありません。

 また、持っている手札に合わせてこの動きを縮めたり広げたりする形で回していくというのが基本という所以ですね。

 

 この動きを行うと盤面は蒼凰神+守護神+悟り手+祈り手になるわけですが、重要なのはむしろ手札のカードを二枚割れるという部分にあります。初動で撃てる若者たちで腰の重いご老体をサポートするという形ですね(余談ですが悟り手は《ネフティスの導き手》と同ステータスであり、《ネフティスの希望》のイラストを見る限り、導き手その人のようです)。

 この時本来のネフティスの動きではネフティス下級を割ることで次のターンに備えるわけですが、この時、テーマ外のカードでなにを割るかというのが【ネフティス】の肝であり、拡張性の高さであるわけです。

 

採用カードについて

1.《ユベル

 言わずと知れたユベルです。ぼくのユベルの思い出については散々語ったのでもうたくさんでしょう。

 《ユベル》は破壊されることで第二形態である《ユベル-Das Abscheulich Ritter》を呼び出します。

 この時重要なのは破壊されるのがどこであっても構わないという点です。かつては相手が《魔のデッキ破壊ウイルス》を撃ってきたときくらいしか使い道はなかったのですが、最近では《炎王の孤島》、《ドラゴニックD》など手札を破壊するカードも増えてきて、その範囲の広さが活かされていますね。

 

 このデッキでは先述のようにネフティス下級によって《ユベル》を割ることによって第二形態を特殊召喚できます。このカードのエンドフェイズのブラックホール効果で《ネフティスの鳳凰神》を破壊することで毎ターンブラックホールと大嵐を当て続けるのが【ネフユベル】だったわけですが、このデッキでは《ネフティスの蒼凰神》をバウンスされることを避けられたり、並べた悟り手や祈り手を流すことでアドバンテージの予約をしたり、八面六臂の活躍をします。

 さらに、一応【ネフティス】の切り札である《ネフティスの焔凰神》は、儀式モンスター二体を含めてリンク召喚すれば共存が可能になり、ブラックホールで流され続ける相手場を3600の打点で殴り続けることができます。

 

 また、ユベルのネックとなるのは第二形態、第三形態をメインデッキに入れなくてはならないこと。なんの役にも立たないカードが一枚手札にあれば命取りになるゲームでありますが、しかし、このデッキでは儀式召喚の生け贄として処理することである程度有効活用することができます。これはユベルに限らず、後述の他の採用カードもすべて最上級カードであるため、同様に生け贄となります。

 

2.《光と闇の竜

 かつてはこのカードを出すだけで勝つことができたというほど、強力な制圧効果を持つ最上級モンスターです。その特異な効果からコアなファンも多く、コナミは特殊裁定を連発、wikiではこのカードを無限ループで倒せるカードには欠かさず「《光と闇の竜》を無力化できるカードの一種である」と記述してあります。

 

 このデッキではどちらかというとその制圧効果よりも破壊時の効果に注目します。このカードもユベル同様どこから破壊されてもその効果が発揮でき、このカードを《ドラグニティアームズーレヴァテイン》の装備カードにすることで無限蘇生し、その破壊にネフティスの鳳凰神を巻き込むのが【ネフレヴァライダー】だったわけですが、今回は当然手札で破壊することになります。

  ライダーは破壊されると強制効果で墓地のモンスターを蘇生し、フィールドのカードをすべて破壊します。哀れ壊獣のリリースとなった蒼凰神を蘇生できる他、ユベル同様盤面のネフティスを巻き込んだり、能動的発動が難しい《ネフティスの覚醒》の②効果につなげることも可能です。

 

 また、採用理由が破壊時効果であれ、その制圧効果は健在であり、特にこのデッキは召喚権のあまりがちな儀式デッキであるため、真っ当にアドバンス召喚をする機会も少なくはありません。その際はその比類なき制圧効果で相手の手札を食い潰してくれるでしょう(なぜか身内だとガリスが飛んできたりもしますが……)。

 

3.《地縛神 Ccarayhua(コカライア)》

 破壊された時、フィールドをリセットしてくれる優秀なお掃除屋さんで、こういったデッキでは常にwikiがおすすめしてくれます。全く同じ役割のカードとして《邪神イレイザー》が良く挙げられますが、大体盤面には出ないのでどっちでも変わりません。

 

 一応このデッキではコカライアを割るカードが割られたときにも効果を持っているのでアド損はしづらいのですが、どちらかといえば止めどころの少ない《炎王の孤島》などで割る方が露払いとしての役割はやりやすいでしょう。

 ただ、相手が無防備にモンスターを並べた時にコカライアをぶっ放してやるのは気持ちいいので採用しています。

 相手がフィールド魔法を採用している場合、《光と闇の竜》によって蘇生してフィニッシャーになってくれる場合もあると思われますが、未だに起きたことはありません。

 

4.《バオバブーン》

 コカライア以上に手札破壊デッキでは採用されがちなバオバブーンくんはこのデッキにも入っています。コンボデッキ、最上級多様、儀式召喚の三重苦でおおよそまともなデッキとは思えない事故率を誇るため、必須と言っても過言ではありません。手札の質って大切なんだなあ。

 

 汎用カードですので長くは書きませんが、このデッキは効果を使ったあとの《守護神-ネフティス》が余りがちになるため、バオバブーンを割りつつ蒼凰神を出すと、守護神+バオバブーン×2で悪名高きワンキル生成装置、それヴァレソでいいじゃんでおなじみの《ヴァレルソード・ドラゴン》がリンク召喚できるため、蒼凰神で盤面をどかせば9000ダメージを叩きこめます。勝てます。ただ、伸びきったそうめんのように味気ないです。

 

5.《歯車街》&《古代の機械巨竜》

 ネフティスの持つ唯一性として手札の「カード」を破壊することができるということが挙げられます。ライバルになりがちな炎王や真竜皇でもここまで紹介したカードを活用することはできますが、これを活用できるのはネフティスだけでしょう。破壊されたときにアンティークギアを呼び出すフィールド魔法である《歯車街》です。

 

 MR2のころはフィールド魔法の上書きやセットによって発動でき、一世を風靡したカードですが、最近はタイミングを逃すこともあり、とんと見なくなりました。ネフティスはきちんとタイミングを逃さないように同時処理としてテキストを書いてくれているため、問題なく発動することができます(実はユベルもこの恩恵を受けています)。

 呼び出すアンティークギアにストラクRでもらった《古代の機械熱核竜》ではなく、《古代の機械巨竜》が採用されているのはネフティス最上級組が星8あるため、R8につなげるためです。巨竜は単純打点で3000あるため、《歯車街》を採用することで火力も対応力も随分上がりました。

 

 ちなみに、熱核竜と真竜皇を採用することによって、悟り手で《歯車街》を割って祈り手蘇生→熱核竜リクルート→悟り手と祈り手を割ってマリアムネという動きからR9を作ることもできますね。今考えました。

 

 6.《風霊神ウィンドローズ》

 ここまで紹介してきたカードはどれも破壊されることを役割として持っていましたが、このカードは少し違う役割を持っています。

 実は《守護神ーネフティス》のサーチ効果は星8鳥獣のサーチであり、このカードをサーチすることができ、さらに、リリースや手札破壊で墓地に風属性が溜まりやすいこのデッキでは比較的簡単に出すことができます。また、バトルフェイズスキップのデメリットもR8にすることで回避可能です。

 

 正直言って、種族サーチなんだからもっとガンガン使えるカードを入れたかったみたいなところはあるのですが、星8鳥獣の圧倒的な層の薄さに断念しました。恐らく、守護神のサーチ効果は霊魂鳥神と組み合わせることを念頭に置いているのでしょう。霊魂鳥が喉から手が出るほど欲しがっていた儀式魔法サルベージを組み合わせていることもそれを裏付けます。

 いつか《The アトモスフィア》を使ってみたいですね。

 

まとめ

 長々と採用カードについて語ってきましたが、【ネフティス】は以上のように自由度も高く、昨今流行りのリンク召喚とも相性がよいため、弱いという点に目をつぶれば万人に勧められるデッキだと思います。

 特に、なにを割るかという部分によってデッキごとの個性を出しやすく、パーツの入れ替えによってまるで別のデッキのような動きをすることができ、長く飽き図に使っていけるテーマでしょう。

 

 そういうわけで、私も別の型を使いたくなって現在模索中です。

 未完成ではありますが、カードを入れ替えればこれだけ方向性の違うデッキとして遊ぶことができるんだよ、という一例として紹介しておきます。

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 いつかこのデッキが完成したらちゃんと紹介したいですね。

 

 それから、おまけとしてまだ読む気力が残っている方へ、ネフティスの世界観についての記事を書きました。ぜひ読んでいただけたら幸いです。

 

jikkenn1108.hatenablog.com

 

 

 最後までお読みいただきありがとうございました。かたつむり工房でした。